A painted manuscript illustration of several samurai gathering to look on one man who is kneeling and has blood on his neck and chest.

血と、涙と、武士の男色 18世紀日本が見た、ある悲劇の物語

本プロジェクトについて

ライデン大学・イェール大学共同チームによる本プロジェクトは、18世紀初頭に作成され、2017年にイェール大学バイネキ稀覯本・手稿図書館の蔵書に加わった、現存する唯一の写本(仮題:『衆道通夜物語』)のデジタル研究を中心とするものです。1713年の米沢藩(現・山形県)を舞台にした、この作者不詳の作品は、男性同士の恋愛沙汰とその悲劇的な顛末を描いています。つまり、本作品は、近世の「実録本」―実際に起きた事件や醜聞に関する、根拠のない憶測を、手稿という形で世間に流布させるための書物―が男色のネタをとりあげている、珍しい例なのです。

本サイトは、『衆道通夜物語』の写本を、学生・研究者・教育者・一般の方々に利用していただくため、原本のデジタル画像とその注釈・翻訳、そして教育現場での活用を容易にするための短い作品解説エッセイやその他のリソースとともに、提供することを目的としたものです。

イェール大学図書館日本研究司書・中村治子氏による『衆道通夜物語』写本の内容とその解読作業に関する解説映像はこちら

本プロジェクトは、ジャパン・パスト&プレゼント・Dutch Research Council (NWO)・イェール大学東アジア評議会からの多大なご厚志のおかげで実現することができました。関係者一同、支援機関のみなさまに御礼申し上げます。

また、米沢市上杉博物館・市立米沢図書館・Isaac Alfred Ailion基金関係者のみなさまにも、さまざまなご助力をいただきました。