ジャパン・パスト&プレゼント開設のご挨拶

三年以上にわたって構想を練り上げ、準備をつづけてきたJapan Past & Presentが、本日、ようやく公開される運びとなりました。このプロジェクトに、日本の人文学研究に携わる世界中の研究者が大きな可能性を見出し、期待を寄せ、そしてその今後の発展に実際に加担してくださることを、心から願っております。JPPの規模とビジョンの壮大さは、管見の限り前例のない試みだと認識しております。しかし、これはほんの始まりに過ぎません。

ジャパン・パスト&プレゼント、通称JPPは、分野、時代、国を越えて日本の人文学研究の情報中枢として機能し、研究者をつなげ、研究と教育を促進するグローバルな情報ハブです。最初は数人の話し合いから生まれたこのプロジェクトは、世界中の研究者が一緒になって日本の人文学を真にグローバルな研究領域として再構築するためのプラットフォームになるという、きわめて大胆な目標を掲げております。UCLAと早稲田大学の共同企画である柳井イニシアティブが発案・開発したプロジェクトであり、その運営を柳井イニシアティブがこれからも担いつづけることになるのですが、世界中の研究者・教育者がお互いにコネクションを作り、協力し合うことにこそ JPP の存在意義があり、そのようなコラボレーションを通じてこそ、JPPはこれからも成長を続けてゆくことができるはずです。

JPPは、どのような人々が、どこで、どのような研究を展開しているのかを容易に把握できるようにすることで、また研究のテーマや関心が重なる世界中の研究者がそれぞれの才能と能力を結集し、新たなオープンアクセス・プロジェクトを実現する機会を提供することで、世界規模で、公平で開かれた研究環境を築いていくことを目指しております。JPPはまた、このようなチームの努力の成果(デジタル・エディション、データベース、教育ツール等)を一箇所に集約し、それが誰にでも容易にアクセスできるように、長期的に維持することを約束します。

JPPが、世界中の日本人文学研究者が日常的に利用するリソースとなり、ハブとしての機能することで、この分野に携わっている研究者が、いかに多様なバックグラウンドから、またいかに多様な境遇で研究を続けているかが、より明確に認識されるようになるはずです。そして、そうした多様性を最大限に受け入れる、公平で開かれたなコミュニティーを形成することで、日本人文学研究という分野をさらに豊かな分野として発展させてゆくための一助となることを願っています。

ここで、JPPのウェブサイトにはどのような機能があるかについては詳しく触れません。これからさらに多くのリソースや企画が登場することを前提に、どうぞご自身で探索していただきたいと思っております。ここに日本人文学研究をグローバルな分野として成立させていく可能性を感じていただけるようでしたら、ぜひ「世界の日本研究者一覧」(Japan Scholar Search、略してJSS)にプロフィールを作成し、またJPPの最新情報を受信できるよう、ご登録ください。JPP助成プロジェクトの第一ラウンドの提案募集など、重要なお知らせを近日中に発信する予定です。

JPPは、ウェブサイトとして存在しています。しかし、JPPは単なるウェブサイトではありません。公平でグローバルな研究者コミュニティーを創造するための手段です。JPPがそのビジョンを実現できるよう、この三年間、世界中で懸命に働いてくださったすべての人々への感謝をここで申し上げたいと思っております。あまりに多くの方々が関わってくださりましたので、皆さんのお名前を一人一人挙げていくことはできません。ただ、オペレーション・リーダーであるポーラ・R・カーティスのたゆまぬ努力がなければ、JPPを立ち上げることができなかったことは明記させていただきたいと思います。

マイケル・エメリック
ジャパン・パスト&プレゼント、ディレクター
柳井イニシアティブ、ディレクター

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